なぜインドはこれだけの所得格差があるのか。真相に迫ります。

新聞名:Hindustan Times
日付:2011年12月18日
ページ:P14
記事名:The Great India Divide
記者名:Mahua Venkatesh

ピックアップ情報
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※経済協力開発機構のリポートによると、42%のインドの総人口が1日USD 1.25 以下(約100円)で暮らしています。

※過去20年間で、中国、インド、ロシアと南アフリカは自国の経済格差が広がりました。

※社会保障への投資率が最も高いのがブラジルとロシア。インドと中国はOECD平均の3~4分の1以下です。
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プラディープ・カナ(37歳)は多国籍系銀行に勤め、年収は550万ルピー(約820万円)の収入を得ています。月収は税金を抜いたあとで30万ルピー(約45万円)です。奥さんと子供2人の4人暮らしでグルガオンに暮らしています。カナはお手伝いさんを自宅で雇っており、お手伝いさんの収入は月給5千ルピー(約7千500円)と、カナの給料の60分の1です。

中国の次に、世界で2番目に経済成長をしていると言われるインドでは過去10年間で所得格差が広がりました。この違いは食事、生活環境、給料などにとても響いています。

OECD、経済協力開発機構のレポートによりますとOECD内で一番所得格差がある国は中国とインドだそうです。ロシア、ブラジル、南アフリカも格差は広がっていますが、中国とインド程ではありません。

前年度は経済成長率8.6%を記録したインド。今年度は、7.5%を予測しています。著名な経済評論家のアマルティヤ・センによると、インドの所得格差は驚くほどの困惑する数値です。

最近までは、インドと言えばミドルクラスの増加により、消費者が増え、経済を循環させていました。外資系の投資が増加し、教育レベルが高くなりました。しかし、経済発展から取り残された地域など地理的な要素が、この所得格差の原因となっています。インドだけではなく、発展を続ける国々にこのような状況が観察されます。

では、格差を縮めるにはどうすればよいのか。アマルティヤ・センによると、社会的インフラの発展、特に医療施設と教育に力をいれる事が一番良いと言っています。社会保障の部分では、中国だけではなく、バングラデッシュやスリランカよりもインドの方が遅れているためにもっと社会投資をするべきと彼は言います。

しかし、新興国では経済格差が普通現象となり、一定の人がその他を搾取する事で成長すると、Federation of Indian Chambers of Commerce and Industry の書記官、ラジヴ・クマールは言います。クマールによると、インドが解決しなければ問題は所得格差を無くすことではなく、貧困層を無くし、政治腐敗が無い政府を作ることだと言います。

また、世界銀行の副総裁のトロッツェンバーグも、所得格差は新興国の共通する現実的な現象であり、発展した国になるまでは通らなければいけない現実と、言います。しかし、この問題を解決しなければいけないと彼は言います。

OECDのリポートによると、格差を少なくするためにはまずは最低賃金制度などを作り、貧困層を無くすことです。

インドの半数近くを占める貧困層。1日も早く、すべての人にとって住みやすい国になってほしいと願います。
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